ハママツクリエーターズフェスの開催趣旨を、「なぜやるのか(Why)」「どうやるのか(How)」「何をやるのか(What)」というゴールデンサークル理論に沿ってご紹介します。
WHY
なぜハママツクリエーターズフェス(以下クリフェス)を開催するのか?
創造都市浜松―すべての人が「クリエーション(作り出すこと・表現すること)」に親しみ、自己理解や他者理解を深めながら自分らしく生きる充実感や喜びを得ることができる浜松地域を作ることが私たちの目的です。
そのために、市民がクリエーションを通して、交流し、学び、他では築けない関係性を育むことができるクリエーション賛美の場(まつり・フェス)をつくりたいと考えています。
クリエーションとは?
クリエーターズフェスが考えるクリエーションの意味。
「クリエーション(creation)」という言葉は、「創造・創作・創出・制作」など、新しいものやアイデアを作り出す行為や、その結果生まれたもの全般を指します。「クリエーター」とは、作り出す人-創造者・制作者を指します。
「クリエート(create)」という言葉はラテン語の「creare」(生み出す)という動詞が語源と言われており「The creator」は唯一神(創造主)を意味します。今では「無から有を作り出す」という原義が転じて、創造的プロセスに従事する人物を指す語となり、現代日本においては主にコンテンツや製品を企画・制作し、それを生業とする専門職に従事する少数の人々を指し「クリエーター」と呼ぶことが多くなっています。
しかし、創造的行為―無から有を作り出す行いは、本来私たちの生活や人生の随所に見られるものです。
例えば、スマホケースにステッカーを飾る。ネット上に作文や写真を投稿する。お気に入りの服やアクセサリーを身につける。大切な人に喜んでもらうよう贈り物をする。食べた事がないものを食べる。それを友人などとシェアする。将来なりたいものについて作文し発表する。レポートを書いて提出する(発表する)。自分の意見がうまく皆に共有されるようプレゼンする。マルシェやバザーに出店し売り上げが上がるよう工夫する。歌やダンス、楽器演奏を練習し発表会で披露する。絵を描く、詩を書く、書を揮毫する、写真を撮るなど作品を制作し展覧会に出展する。など、これらは何らかの効果を狙って意識的に行う行為であり、実行するかしないかで確実に自身にも他者にも変化が生じる―無から有が生じる創造的行為(クリエーション)であると私たちは考えます。
私たちクリフェスでは、「クリエーター」をデザイナーやアーティストなどの専門職を指す言葉ではなく、作品やアイデア、経験を作り出す行為に親しむ人全般を指す言葉と考えます。
私たちは、これら広義の創造的行為に親しむ人全てをクリエーターと呼びます。
クリエーションの意義とは?
なぜクリエーションを賛美する必要があるのか?
クリエーションには「作る行為そのものに喜びが溢れていること」「革新(イノベーション)を助けること」「自己実現を助けること」「他者との精神的公平性を育むこと」など、私たちが幸せで楽しい人生を生きる上で良い効果があります。
クリエーションそのものを賛美することで、これら効果を広くみなさんと共有し、誰もが自分や他者のクリエーションから楽しみや喜びを得られるような地域を作りたいと考えています。
クリエーションは私たちに本能的な喜びを与えます。
クリエーションのプロセスそのものの楽しさには、以下のようなものがあります。落書きなどで鉛筆やペンを体や頭の赴くままに動かすことには身体的な快感があります。ラフスケッチ(制作のためのイメージ図)が出来上がり、何か良い作品を作ることができそうなときの期待感はとても気持ちの良いものですし、作品制作に際し実際の材料に触れ、その特性を発見し制作がスムーズに進むようになったときの解決感も爽快です。製作中に修正点を見つけリカバリーできた時の安堵感や、作品がある程度思い通りに完成した際の達成感はひとしおです。
そして、自身の価値観の結晶である作品を発表し、それが誰か他者の琴線に触れたと思えたとき、自身とその他者の双方に大きな喜びが生まれます。
誰かの琴線に触れられなくても、彼らの感想などが次の制作のためのヒント、自身も気づいていなかった自作の価値に気づかせてくれる場面や自己の価値観の真実感を再確認できる場面は多く、次回制作への期待が膨らみます。
クリエーター仲間たちと意見やノウハウの交換をすることにも他にはない特別な楽しみがあります。
クリエーターと関わることは以下のような楽しみをもたらします。好きなクリエーターの活動を推しフォローすることで彼らの価値観や活動に一体感を感じられることはもちろん、クリエーターの作品に触れたり彼らと言葉を交わす中で、作品に込められた想いもよらない制作の動機(価値観)を垣間見、普段の生活では体験できない不思議さを感じたり、自身の価値観を再確認したりすることができます。これら非日常的な体験は刺激に満ちています。
上のようにクリエーションそのものや、クリエーターと関わることは私たちに多くの喜びをもたらします。
作り出すこと・表現すること―クリエーションは、今までにない価値観や成果物を生むこと(イノベーション)を助けます。
何かを「作り出すこと」には「表現すること」が、「表現すること」には「作り出すこと」が不可欠で、この2つの行為は一体です。
私たちが何かを作り出すとき、大抵の場合以下のようなプロセスに従います。
個人での場合、まず自分の中にあるイメージを文字やラフスケッチに書き・描き出し(表現すること)し、それを見てさらにイメージに近づくよう繰り返し作っては表現して、最終的に実際行う行為を決める(作り出すこと)に至ります。
チームでの場合、それぞれの思いつきや欲求をプレゼンテーション(表現すること)し、意志統一を図った上で実際の作業に移り、定期的にメンバー同士の表現による意見共有を経て最終的に完成(作り出すこと)に至ります。
そして、ほとんどの場合どちらも最終的に作り出したものは、他者に向けて発表・表現されます。
私たちは、自身や他者とイメージを共有したり膨らめたりするためにまずラフスケッチを作り表現し、その結果を踏まえ最終的に実行するプランや作品を作り出し、それを他者に向けて発表・表現するということを繰り返します。
他者に向けて表現することで得られる感想や反応は、時に発表した作品や自身の価値観の客観視を促し、それが私たちの意欲を掻き立てさらなるクリエーションの原動力になります。
「作り出すこと」「表現すること」は表裏一体の関係にあり、これらを繰り返すことで私たちは、自身の理想と、他者(自身のフォロワーやクライアントなど)の理想との接点を見つけ、この行為の繰り返しが、最終的にまだこの世界に無い価値観やアイデアを創造することに繋がります。
クリエーションは「自己実現」を助けます。
私たちは、夢を語る・作文する・絵や図を描くなど表現しそれらを観察することによって、徐々に自分のやりたいこと「内発的な動機」に気が付きます。
私たちが何かを表現する際、自己の価値観と全く関係の無い物を作り出すことはできません。何かを作ればそこには少なからず自己の価値観が現れます。
そして語ったことは記憶に残り、文や絵などの作品は形に残ります。これらを後から観察することが自己の価値観を客観視・精査することを助けます。
自己の価値観を発見し明らかにすることは、自身が自身の人生の中で本当にやりたいことー内発的な動機を明確化するプロセスであり、これは「自己実現」へと繋がります。
※「自己実現」とは、お金や他者からの評価のような外的な要因・動機ではなく、内発的な動機から「本当にやりたい」と感じることを追求する状態を指します。自分の持つ可能性を自覚・追及し、理想の自分に近づこうとする様々な行動のことで、自己実現を目指すことは私たちに幸福感をもたらします。
他者のクリエーションに触れることが「他者理解」を深めます。
私たちは、誰かの話を聴く・誰かの書いた作文を読む・絵を鑑賞するなど他者の表現に触れることで、自分以外の他者のもつ「人生の動機の多様性(価値観の多様性)」を実感します。
他者の作品や発表は、彼・彼女が限りある人生のリソース(時間や金銭)を割いてわざわざ作り出し発表したものであり、そこには情熱や信念、純粋な価値観(何に価値を感じているのか)を見出すことが容易です。
他者の価値観を実感する事は、自分と他者との違いを浮き彫りにし「他者にも自分と同じように大切なものがあるのだ」と思える感覚―「精神的公平性」を育て、これがさらに自己受容や他者信頼、共同体感覚をもつ助けになると考えます。
他者のクリエーションに触れることは、他者をリスペクトする心を育てます。
この他にもクリエーションの意義や効果はあると思われますが、以上が現状のクリフェスが考えるクリエーションの意義です。これら意義を知識としてだけではなく実感をともなった形で一般化する事が私たちの目的です。
クリエーションのマインドやスキルは、専門職としてのクリエーターだけのものではない。
クリエーション―「作り出すこと・表現すること」に親しむことには上に示したような効果があると考えられ、これらは人々にポジティブに働きます。
クリエーターを自認する人々は、創作を日常化あるいは生業としているため、特有のマインドやスキルを蓄積しています。それは、単に表現するための意識や技術に留まらず、他者の表現を適切に受け止めるための技術も含みます。
クリエーターは自己表現により内的動機を明確化して自身のやりたいことに邁進します。また他者の表現に触れることで自身のクリエーションに活かせる要素を学び、同時に他者や社会、人類や世界への敬意を育みます。
そして、自身のクリエーションが社会や世界、人類史にどのように影響をおよぼすのか―自分はこの世界で何をすべきかということを探ります。
これらは、クリエーターと呼ばれる者たち、クリエーターを自称する者たちが生まれ持った才能によって獲得するものでは無く、誰もが共有可能なものだと考えます。
クリフェスは、クリエーターとして活躍している人材を招き、彼らのクリエーションについてのマインドやスキルを広く共有したいと考えています。
クリエーターたちがもつマインドやスキルを広く共有したい。
ハママツクリエーターズフェスの目的は、クリエーションそのものの意義や、クリエーターたちの哲学や内的動機や技術を広く共有し、またワークショップなど体験を通してクリエーション行為そのものを身近に感じていただくことで、誰もがクリエーションを通した自己理解や他者理解を深めながら、他者との関係の中で自分のしたい事をイメージしながら生きられる地域としての浜松界隈を作ることです。
そのためにクリエーターたちの作品や実績・考えを発表し、クリエーションについての知見をみんなで共有し深めるための場を作ります。
HOW
どうしたらクリエーションの楽しさや意義を共有できるか?
クリエーションに親しむことにはさまざまな効果や楽しさがあり、それらは人々に喜びを与えます。しかし、誰もがクリエーションに親しむには、クリエーターたちの作品や活動を発表するだけでは不十分です。クリエーターという得体の知れない他者と関わること、また自身もクリエーターとなって表現することには少なからぬハードルがあるからです。
これにはクリエーターという存在の生態や、社会における効果や実績を明らかにすること、そしてその上で自己表現することを賛美奨励する場―「自己実現的な場」「他者理解的な場」を作ることが必要です。
これにより誰もがクリエーターやクリエーションに意義や安心感を感じ、心から楽しむこと・親しむことができると考えています。
クリエイターという存在のブラックボックスをオープンに。
まず、クリエーターという存在が、それぞれ何をしているかということ―どのように他者や社会に貢献し、どのように暮らしているかということを明らかにできる場が必要だと考えています。
クリエーターという存在がどのように生き、どのような価値観や思考でクリエーションに親しむのかということは、一般に知られていないことが多いです。そのことが、アート・クリエーションの神秘性を育てているとも考えられますが反面、クリエーティブなマインドやスキルは一般的には身につけることができない(必要がない)才能による技であるという誤解を招く原因であるとも考えられます。
誰もが安心感を持ってクリエーションに親しむためには、一見不思議な彼ら(私たち)の生態―何をきっかけにクリエーションに親しむようになり、何を大切にし、どのように暮らし、どのようなことを成し遂げてきたのか、これから何をしたいと考えているのかなどを発表し、クリエーターという存在について明らかにできる場が必要だと考えます。
「自己実現的な場」(安心して自分の好きを表現できる場)、「他者理解的な場」(他者の価値観に安全に触れられる場) が必要です。
作品を発表すること―自己を表現するということは、楽しさを伴い自己実現やイノベーションへのプロセスであると同時に、自己のつたない価値観や表現を世間一般に発表することでもあり、時に批判や嘲笑に晒される恐れのある行為でもあります。
特に、自己の剥き出しの価値観や練習の成果などを他者の眼前に曝け出す発表会や展覧会、大勢が出席する会合や会議などで自身の意見を表現することなどには大きな緊張や恐怖が伴います。
多くの場合、クリエーターは日々制作と発表を繰り返すことでこの緊張や恐怖にある程度慣れています。
自己表現に親しむには、自己表現することに慣れ親しみポジティブに行動できる人材(クリエーター)に直に接し学べる場、また自己表現をしても過度な恐怖に晒されない安全性が確保された場―一般的には見られない「自己実現的な場」を作る必要があると考えます。
自己表現しても安全であるということは、すなわちさまざまな人々の精神的公平性を大切にするというルールによって成り立つ「他者理解的な場」でもあります。
私たちは、クリエーターとはどのような人材であるかということを明らかにしつつ、自己実現的かつ他者理解的な場を作ることで、クリエーションの楽しさやスキルを広く共有したいと考えています。
WHAT
具体的に何をすることでクリエーションの楽しさやクリエーターたちのスキルを共有するのか?
誰もがクリエーションの効果や意義を感じることができ、安心感を持ってクリエーションに親しむことができる特別な場―クリエーターズフェス(創造性賛美のためのまつり)を開催します。
このフェスは、クリエーターという存在を明るみに出す場であり、自己実現的な場(安心して自分の好きを表現できる場)であり、他者理解的な場(他者の価値観に安全に触れられる場)です。
この特別な場で、クリエーションを介したさまざまな属性の人々による多様な交流、多様な価値観の共有が行われることを目指します。
具体的には、実績あるクリエーターの活動の発表会、彼らのクリエーションにおける価値観やスキルを共有する場としての展覧会や、実際に私たちとクリエーションとのつながりや身近さを体感できるマルシェや音楽のコンサート、企業や行政機関とのコラボ企画、作り出すこと表現することに気軽に触れられるワークショップ、今まさにクリエーターになろうとしている学生作品の展覧会を、クリエート浜松3Fギャラリーフロアにて 開催します。
また、組織としてのクリエーターズフェスの存続を確実なものにすべく、安定的な人材やリソースの確保を目指します。
